
「吾輩は猫である」「坊っちゃん」などで有名な作家、夏目漱石。
彼は甘党だった。
それに糖尿病を患っていて、治療中も食べ物、特に甘い物への執着を捨てられなかったと最近、知った。
知ったとき、私はある男性を思い出した。
目次
思い出した人は「若い」ではなく「未熟」と思えた人
その男性は私が30代の頃、仕事の都合で出会った年上の方で、彼も糖尿病を患っていた。
それに毎月、透析治療が必要な身になってもなお食への執着を捨てられていなかった。
病が悪化して、透析治療に励まねばならない身になっていながら、彼は「食べ物に取り憑かれてる」と私には思えるほど食べ物を貪っていた。
同時に、日本の近くにある某国を嫌っていた。
なぜ嫌いなのか、どれだけ嫌いなのか、とうとうと語っていた。「聞かせてほしい」とお願いしたわけでもないのに・・・・
ちなみに彼は日本語しか話せないし、外国語を学ぶ気はゼロだった。
「現地の言葉も分からない、学ぶ気もないあなたには、彼らの苦しみや本音は分からないでしょうね」と本人に言いたかったけど、言わなかった。
彼の話を聞いているとき、私は10代後半の頃の自分を思い出した。
ヨーロッパの某国に留学する前の自分なら閃いてそうな考えを、相手は何度も口にした。
今以上にアホでバカだった数年前の私にとっても、彼は「40歳を過ぎた人」には、まるで思えなかった。「精神が若い人」ではなく、「余命いくばくもない未熟な人間」に思えた。
夏目漱石が患った病と食生活について知って以来、彼を思い出すと、30代のときに知り合った、あの男性の姿もよみがえる。
今回、言いたいこと
食事が大好きは人は糖尿病にお気をつけを。
人は案外、簡単に糖尿病になる。それにある日、ふいになる。
食べ物を貪るクセがある場合、そのクセにも要注意。
他人の前でそのクセを発揮していると、いずれ自分のウリを熱心にアピールしても、相手には全く「凄い」と思われない人になってしまう。
前出の男性もそうだった。
そうだったためもあり、伴侶を熱望していたけれども、「『高収入の男と結婚したい』との意思を隠さないオバちゃん」以外には相手にされていなかった。
軽視して嫌っているタイプは寄ってくるのに、それ以外のタイプからはそっぽを向かれてしまう、という状況に陥っていた。
本人から自分の散々な状況を聞かされているとき、私は相槌を打ったり、励ましたりしていた。
「身勝手な理由から配偶者を求めている、食事量の制限すら自力ではできない、自己中で問題解決能力が低くて無責任な、重度の糖尿病患者だから仕方がないのでは?」とは言わなかったけど、「日本女性の大半は人を見る目があるんだな」と思っていた。
相手は語りながらケーキを食べていた。