「お金を貯めたい」と思いながら貯金できないでいる人もいれば、「ダイエットしなきゃ。痩せなきゃ」と考えているのに痩せられない人もいる。

タバコやお酒をやめたいのにやめられない男女は昔から大勢いる。

あなたも「共用部の清掃をしたり、他の居住者と仲を深めたりしたいのに、いつまで経ってもできない」なんて思っていないだろうか。色々な悩みを抱えながらシェアハウスの住人を続けていないだろうか?

もしそうなら、あなたも「現在バイアス」に囚われているのかもしれない。

目次

現在バイアスに囚われた人とは?

この「現在バイアス」とは行動経済学の世界で注目されている言葉の一つで、人の心理とも、傾向とも、習性とも呼べるもの。

このバイアスに囚われると人はしばしば将来得られる利益ではなく、すぐに得られる利益を選択してしまうようになる1

あなたは現在、刹那的な生き方をしていないだろうか?

もし「この瞬間、今」を重要視して、未来の自分をないがしろにしているのなら、あなたも現在バイアスに囚われている可能性が高い。

囚われているから、望みが叶わないのかもしれない。

もちろん、全ての望みが叶わないわけではない。現在バイアスに囚われていても望みは叶う。

ただ叶う望みはあくまで大抵「ちっぽけな望み」であって、「大きな望み」はなかなか叶わない

「1日中、自分の部屋の中でゴロゴロする」という望みは叶うけれども、「共用部を清掃する」「他の居住者と親しくなる」といった望みはなかなか叶わない、というわけだ。

ダイエットに成功しない人の場合、「目の前にある美味しそうな食べ物を頬張る」との望みは叶うけれども、「痩せる」という望みは一向に叶わない。

要は現在バイアスに囚われた人は自分にあまり利益をもたらさない望みは叶えられるけれども、大きな利益をもたらすものは、なかなか叶えられない傾向がある

それに叶えられないために思い描いている未来をつかめなかったり、夢が叶わなかったり、「目標は達成できそうにない」と周囲の人にも思われる人になったりしている。

あなたもそうではないだろうか?

現在バイアスの影響から逃れたいのなら?

「大きな望みは叶えられない自分を卒業したい。自分を変えたい!」と思っているのなら、これからは、すぐに得られる利益ではなく、将来得られる利益を優先しよう

シェアハウスに住んでいて、「他の入居者と仲良くなりたい」と思っている場合は、「自室にこもってネットサーフィンをする」ではなく、「勇気を出して相手に話しかける」という選択肢を採用しよう。

禁酒したい人は「呑みたくなったら呑む」ではなく、「呑む量を少しづつ減らし、最終的にゼロにする」という手を選ぼう。お酒が娯楽なり逃げ道なりになってしまっている場合は、速やかにアルコールから距離を置き、生き方を変えよう。

「大変そう」と思えても実行すれば、あなたも現在バイアスの呪縛から逃れられて、今の自分を変えられるはずだ。

あなたが変わると往々にして周囲の人間の負担が減るので、他の人達のためにも、自分を変えていただきたい。

よろしくお願いします😊

【注記】

  1. 現在バイアスとは良く言えば「未来より今の自分を大切にする人間を生み出すもの」、悪く言えば「先のことを考えない無計画な人間を生み出すもの」と言える。 ↩︎

参考文献:
阿部 誠 (監修)『サクッとわかる ビジネス教養 行動経済学』
2021年12月15日 第10刷 株式会社新星出版社

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