
私は30歳を超えたとき、ふいに卵が食べられなくなった。
口にするとアレルギー反応と思われる症状が出るようになり、それからすぐに肉類、ピーナッツなども食べられなくなった。卵はあくまで「最初に口にできなくなったモノ」に過ぎなかった。
現在の私にとって、ほとんどの食材はアレルゲンで、まず口にできない。
だから大勢の人が「美味しい!」と思う物は大抵、食べられない。
あなたが優しい人なら、あるいは食事の時間が大好きな人なら、私を気の毒に思い、「かわいそうに」と思うかもしれない。
「食べられない物を見ると食べたくなるでしょ?」と思う人もいるだろうが、実は思わない。
痩せ我慢しているわけではなく、本当に思わない。
他の人達が食べている物を見ても食欲がわかないからだ。
理由は「脳がそれを『食べ物』だと認識していないから」に思えてしまう。
あなたは食器洗い用洗剤やノートを見ても「食べたい」とは思えないだろう。私も自分が食べられない物を見ても、「食べたい」とはならない。洗剤や筆記具を眺めているときのように、心が動かない。
つまりパンコーナーを歩いてもお腹が空かないし、手の込んだ菓子パンの類を見ても「食べたい」と思わない。「美味しいのだろうな」と思うときはある。脳が目の前の食べ物から完全に距離を置いてしまっている。
そのせいか大抵は、「原材料に気を使っているとされている物ですら、添加物の量がすごい。食べ物もどきじゃん。アレルギー反応が出ない人の胃は消化が大変だろうな」とか、「こんな物を大量に食べていたら、そりゃ、頑丈な体を持って生まれた人であれ病気になるよ。アレルギー体質になって良かった。助かった」とか思えてしまう。
それに菓子パンやお惣菜やコンビニ弁当を食べている人を見ると、ふと思うときがある。
「私は絶対に食べたくないと思う物を、当たり前のように食べてる。だからこの人は・・・・」と。
「食べられたら、それでいい。食べ物なら何でもいい」と考え、本当に何でも食べている人。
それに美味しい物が大好きで、頻繁に「美味しい!」と感じる物を食べている人は、どうか毎年、健康診断を受けてください。
長生きしてください。
よろしくお願いします💖