
今や昔。2009年。
米国やヨーロッパ諸国に続き、日本でも裁判員制度がスタートした。
以来、20年近く経っているが、今も訴訟を特別視している人は多い。
あなたもそうではないだろうか?
できれば原告にも被告にもなりたくないのでは?
訴える側にも、訴えられる側にも、できればなりたくないと、真剣に思っているのかもしれない。
もしそうなら『訴えてやる!!! ちょっとおかしなアメリカ訴訟事例集』を読んでほしい。
やや古い本だが読んで損はないはずだ。
恐らくあなたも裁判を特別視する気がなくなるし、訴訟に対するハードルが下がる。
そもそも「訴訟」とは?
訴訟は裁判と、とても似ている。
似ているので「裁判」と呼ばれるときもある。
両者はもちろん別物で、専門家によると以下の通り。
厳密には裁判所が判断を下す行為を裁判、裁判を含む裁判所による行為および当事者による行為をまとめて訴訟と呼びます。
出典:Money Forwardクラウド契約「民事裁判・民事訴訟とは?費用から流れまでわかりやすく解説」
https://biz.moneyforward.com(令和6年8月31日閲覧)
要は弁護士と行うアレコレと、裁判所の中で行われる行為。それらをひっくるめたものが訴訟。
日本では今も昔も大抵、訴訟は特別視されている。
裁判所や訴訟を「自分とは縁遠いもの」とか、「無関係のもの」とか考えている国民もいる。
『訴えてやる!!!』はアメリカ発トンデモ事例集
アメリカ人にとって訴訟は、今も昔も特別なものではない。
弁護士が日本よりはるかにたくさんいるし、気軽に他人を訴える男女も少なくないからだ。
アメリカでは男性も女性も大人も囚人も、実に色々な理由から他人や企業を訴えるし、その訴えのなかにはトンデモ系が少なからず存在する。
『訴えてやる!!!』は、そんなアメリカ発トンデモ案件を集めた本で、約300ページの中に、大量の事例が掲載されている。
たとえば・・・・
父兄会で交わした握手が強すぎた、と生徒の親を訴えた教師の案件や、車のダッシュボードに置いていたコーヒーがこぼれて足を火傷した、とコーヒーを購入した某チェーン店を訴えた元消防士の話など。
優等生の息子が卒業生総代に選ばれなかった、と学校を訴えた母親の事例なんかも載っている。
あなたもこの事例集を読むうちに、「アメリカのような法体系が複雑で、法の数が多い国でも、訴訟は気軽に起こせるんだな」とか、「ごく普通のアメリカ人が訴訟を起こせているのだから、自分にも」とか思えるはずだ。
場所が日本であれ、泣き寝入りする必要はない
日本には他人に害を与えられても泣き寝入りする人が多い。
高齢者の中にも、若者の中にも結構いる。
それは弁護士事務所や裁判、訴訟といったものを特別視している男女が多いからでもあるだろう。
ただ理由が何であれ、あなたまで泣き寝入りする必要はない。厄介な問題に巻き込まれたなら、弁護士なり頼りになる親族なりに相談して解決策を探ろう。
「解決策を探るなんて大変そう。被害を被った側であれ、裁判はやっぱり嫌だな」なんて思ってはいけない。
このような考えは実はとても「もったいない」
問題を起こした人を訴えたおかげで治療費や養育費が手に入るときもあれば、非常に貴重な体験ができる場合もある。
少なくとも「自分は何かをした。泣き寝入りしなかった」という満足感と、弁護士や裁判に関する知識、訴訟に関わった経験が手に入る。
だからあなたが現在シェアハウス住まいの場合。
例えばハウス内で非常に厄介なトラブルが勃発して、当事者となってしまったのなら、勇気を出して誰かに相談しよう!😀
参考文献:
ローラ B.ベンコ (著)、アティラ ベンコ (著)、永井 二菜 (翻訳)
『訴えてやる!!! ちょっとおかしなアメリカ訴訟事例集』2003年11月13日 初版 愛育社
参考サイト:
最高裁判所「裁判員制度Q&A」
https://www.saibanin.courts.go.jp/index.html(令和6年9月5日 閲覧)
同志社大学「アメリカの法文化を考える」
https://doshisha.repo.nii.ac.jp/record/16830/files/kj00000127954.pdf(令和6年9月5日 閲覧)